眺めの良い部屋

2008年09月26日

今回はイタリアでお世話になったティナおばあちゃんの話をしたいと思います。
6年前にイタリア行きを決意したとき、日伊協会の斡旋で住むことになったのが、彼女のアパートです。
ヴィア デイ バルディという昔から額や本の装丁などたくさんの職人たちが働いている通りです。その通りにある9階を学生向けのアパートとして貸していて、彼女はその8階に住んでいました。フィレンツェの中心にあり、便利な所でしたが、9階まで90段以上の階段の毎日の昇り降りは、とても大変でした。そのぶん窓から見える景色は、最高でした。
 基本的に学生アパートは、一つのアパートを何人かでシェアする形態が多く、わたしも6年間に20人以上の学生たちと一緒になりました。その話は次回したいと思います。たくさんの国の人に出会いました。
 下に大家さんのティナおばあちゃんが住んでいることもあり、語学学校が終わると、私たちを招待してくれて、会話の練習をしてくれました。ゆっくりと時間をかけて。その時は必ず、自家製のタルトとヴィン サントをご馳走してくれました。あの時の味は忘れられません。それからも、仕事を探してくれたり、事あるごとに相談にのってくれました。まるで本当のおばあちゃんのように。
 2年前にフィレンツェに帰る事ができました。そのときはもうティナおばあちゃんは、92歳で亡くなられていました。最後までよく私たちの事をよく話していたそうです。お孫さんのご好意で、お墓参りにいきました。フィレンツェ郊外の静かなところです。
「今あなた達が住んでいるアパートは、旦那が浮気したときに、その腹いせに買ってもらったものなのよ。」なんて楽しそうに笑っていたおばちゃんの笑い声が聞こえてくるようでした。